学科紹介
情報工学科とは
「情報化社会」と呼ばれる現代において、コンピュータは私たちの生活に欠かせない存在になりました。コンピュータ単体でも高度な計算や処理を実現できる一方、洗濯機・エアコン・自動車・スマートフォンなどの身近な製品にも組み込まれており、私たちの生活をより快適にしています。また、インターネット、電子メールなどの普及により、家庭でコンピュータが使用されることも一般的となりました。
このようなコンピュータの浸透と共に、幅広い分野で情報系の技術者が必要になってきました。とりわけ、産業界ではプログラミングの能力にとどまらず、ハードウェアを含めた高度な知識を備えた技術者が求められています。
情報工学科は、そのような要求に応えるべく平成4年度に設置され、高専という5年間一貫教育の特色を生かした教育を展開しています。
学習内容
情報工学科では、コンピュータのプログラミング技術はもちろん、ハードウェア技術や通信技術についてもバランス良く学びます。
低学年では、ハードウェアおよびソフトウェア技術の基礎に重点をおき学びます。また、講義だけでなく、実験や演習を通して技術者としての基本的な資質を要請します。
高学年では、ネットワーク技術に関する科目などを加え、専門科目を中心に学びます。情報技術者として必要な知識・技術を実践的に修得できるように指導します。さらに、5年生では4年生までに修得した知識・技術の集大成として、問題解決能力および応用能力を養うために卒業研究を実施します。
他にも、技術者としての自覚と視野の広さを持たせるため、県内企業への工場・会社見学、大企業等への見学旅行、企業や官公庁等での夏季校外実習も行っています。
情報工学科の施設
松江高専には5つのコンピュータ演習室があります。一部屋には、50台前後のコンピュータが設置され、講義・実験などで利用されます。
学生は、これらのコンピュータを放課後などの空き時間も利用できます。ネットワークも完備され、電子メールやホームページ閲覧などインターネットを利用して情報収集したり、情報交換の場としても利用されています。
さらに、構内には無線LANネットワークも完備され、学内のどこでもネットワークを接続・利用することができます。学生は、自分のPCやスマートフォンを持参し、講義や自学に活用することができます.
全国高専専門学校プログラミングコンテスト
全国高専専門学校プログラミングコンテストは、全国の高専学生のすぐれた情報処理技術のアイデアと実現力を競うものです。課題部門・自由部門・競技部門の3部門で開催されます。その発想の柔軟性やレベルの高さは企業やマスコミの関心も高く、参加学生は上位入賞を目指してアイデアを出し合い、様々なソフトウェア開発にチャレンジしています。
松江高専情報工学科でも毎年多くのチームが作品をエントリーし、全国大会でも優秀な成績を収めています。
卒業研究
5年生での卒業研究では、学生は各研究室に配属され、テーマごとに研究を行います。これにより研究・開発能力を習得し、エンジニアとしての基盤を養成していきます。
研究の成果は、校内の卒業研究発表会の他、全国産業教育フェアへの出展や学会発表など、校外でも積極的に発表し、高い評価を得ています。
資格取得
情報工学科では、基本情報技術者試験などの資格取得について指導を行なっています。最近ではこれらの資格取得を採用条件とする企業も増えており、多く受験するように学生に勧めています。
卒業後の進路
情報系技術者の進路は、幅広い産業で職種も多岐にわたっています。また、この分野は女性の進出もめざましく、実力ある技術者は性別に関係なく活躍のチャンスがあります。
さらに勉強を続けていきたい学生は、受験勉強をし大学の3年次へ編入学することも可能です。高専で学んだことを基礎にしてより高度な技術や研究・開発能力を習得できます。また、高専の専攻科に進学する学生も増えています。